僕とボクの恋愛論
出逢った春
まだ僕が自分を『私』や『あたし』と言っていた4月の春。高校受験の後に合格通知に喜んだその春、貴方に出逢ったんだ。
長く黒い髪をポニーテールに結い上げ、ワイシャツにベストといった私服に身を包み僕は入学式へと向かった。
私服高校な為か、やはり体育館の中に居る入学生は私服。かと言ってだらけた服装ではなく、皆それなりの身なりだ。
母子家庭だった僕の唯一の家族、母と一緒にきちんと並べられたパイプ椅子に腰をかけ深く溜息を吐く。
同じ中学だった友人は二人でしかも男子これからどうしたもんかと考え込んで居る時、ふと目に入った斜め横の生徒。
茶色の短髪に背の高いその人は、横に居る母親であろう人と笑みを浮かべながら会話をしていた。
会話から『僕』とゆう言葉を聞いて、初めはその人が女の子だなんて気づかなかった。
だって見た目は男の子、着ているお洒落なスーツだって男性もののような感じ。
後にその人が女の子と知った私の顔ったら爆笑ものだったと友人に言われた事は否定しない。