True-History~本当の歴史~(仮タイトル)
「子供の頃からなんかおかしいなとは思ってた…ただ、認めたくなかったんだ…自分の親が、そんなことするはずないって…」
光秀の眼からは涙が溢れていた

「でも、信長様が一生懸命俺のことを育ててくれてるうちに、信長様もただ単に俺の親を殺すような人じゃないって思えて…でも、やっぱり母親のことを信じたくて…」

鼻水をすすりながら、ゆっくりと述べていく。

「本当に…俺は情けない…」
光秀は静かに膝から倒れこみ、下を向きながら顔を腕で覆った。

「そんなことねぇよ」

光秀が涙でしわくちゃな顔をあげると目の前には蘭丸がいた。

蘭丸はスーッと息を吸い、大きく息を吐いた
「あと少しで伊達と勝負つけに行くんだ。お前の力が必要なんだよ。織田さんを憎んでつけたその力がさ!」
ニヤリと笑い、光秀の肩を叩いた。

「う…ぅぅ」光秀は暫く泣き止むことが出来なかった。


戸を一つ挟んだ部屋で、信長布団の中で口元を緩ませ、寝返りをうった。






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