桜は花の尤(ユウ)成るもの


「話はだな、昨日武家のお方が
町人を切ろうとした時に
馬が暴れたのだが..
どうもその馬が死んだ
らしいのだ。」

私は.はっとした。
自分が昨日殺してしまった
馬の話だとわかったからだ。
私は御裁きをうけるのだと
思い とてつもなく大きな
恐怖に襲われた。

「それが…だな。うむ。」

「っ!」

「馬は倒れたとき16・7の
女の子の上に崩れ落ちた
そうなのだが…

馬が倒れ込んだ瞬間.
女の子は馬の下から
消えたそうなのだ。」

…良かった。
少なくとも私だとは目星は
立っていないようだ。
そこで父上は一息つき、
もう一度話はじめた。



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