桜は花の尤(ユウ)成るもの
「お前は明日武家の方のお屋敷
に行くのだが…
舞季(マキ)に綺麗な着物と化粧
をしてもらえ!」
舞季は母上の名である…
のだが..は?
「父上っ!お調べに綺麗な着物を
着て、化粧をして行けと
おっしゃるのですかっ!?」
「そうだが?」
「意味がわかりませぬっ!」
「いやいや、落ち着け夕。
これには理由があってな。
…武家の屋敷に入れる
機会はそう又とない。
そして、だ。
その武家の方にもし..
もしだぞ?気に入られた場合.
武家の女房となれるのだぞ?
どうだ、良い話しであろう」
この父上は…
「さっきまだ私を嫁にはださぬ
とおっしゃったばかりでは
ございませぬかっ!
私は嫌でございますっ!」
「…いや、夕。」
「父上、私は着てはいかぬし
紅もさしはいたしませぬっ!
失礼!!」
ばたんっ!