桜は花の尤(ユウ)成るもの

蓮之華


「旦那様.とねが只今
夕様をお連れ致しました。」

「そうかそうかっ!とね.
礼を言おう。
遅起きな娘を起こしてくれて
助かったぞ!」

「いえいえ. 夕様は
早起きをしていらしましたよ。
では、とねは朝餉の用意が
ありますのでこれで。」

「夕.こちらへ来なさい。」

朝からかなり酔っているかと
思うくらい明るく、朗らかな
私の父。 "勇蔵"
まったく 何をやっても
上手くいく.不思議な男だ。

…若いときの女癖の悪さは
江戸でも有名だったようだが.笑


「父上.今日は朝からどのような
お話なのですか?
縁談の話ならお断り致します
ゆえ//」


「はっはっは!
まだまだ私は夕を嫁には
ださぬゆえ、その心配は
無用であるぞ。

…しかし.だな。」


これからの父上の話は私の
これからの運命を、
大きく変えることとなる。



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