Delivery―届け


「朝練なんて走り込みだけぢゃん、マネすることないし-っ
それにほらっ、
宿題だって見せてあげてるんだから-」


あたしは、鞄から出したプリントを、健之介に渡した。


「ぉっ、さんきゅーっ」


健之介が席につくのを見てから
あたしは晴たちのとこへ行った。



「あー、希美っ風邪、平気なの?」

美咲に聞かれた

「ぅん軽い微熱だったから」

どこまで嘘を突き通せば
誰も傷つけないで済むんだろう


「高橋先輩みたら風邪なんて
すぐ治るよー
ほら来たよ来たよ!!!」


そしてまた。
女子たちの日課が始まる。






「あのね・・・みんな」
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