恋せよ、乙女!!
「名前書くのが恥ずかしかったのかもよ?」



達也は黙って封筒を見つめてる。



「とにかく、帰って手紙の内容見てみたら?」



「あっ…あぁ…」



何よ、



手紙がラブレターかもしれないって知った途端に
態度が変わるなんて…



何か面白くない……



再び私は歩き出す。



そのあとを慌てて達也は付いて来た。



「桜、何イライラしてんだよ?」



「してない!」



どんなに歩くペースを上げても、ピッタリと付いて来る。



余計にイライラする私…



「ちょっと、付いて来ないでよ!」



「しょーがないだろ?桜と俺の家隣同士なんだし」


「じゃ、私先に帰るから、アンタは後から来て!」


達也の顔を見向きもせず黙々と歩いた。



イライラする、



すごくイライラする。



ラブレターにも、



無神経な達也も、



自分の可愛いげなさにも……



そして…



ちゃんと私の後をついて来る達也に気付く私にも…………









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