恋せよ、乙女!!
「はぁ……」



やっとの思いで下駄箱に着いた。



私の頭の中は、追試と内申書のことでいっぱい―――――



それもこれもぜーんぶアイツのせいだ。



でも、今のままじゃあの大学に行けないのは事実。

なんとかして追試で良い点を採らないと……




今の自分の状況にまた溜息が出てしまう。



「溜息ばっかだと、幸せ逃げちまうぞ?」



靴箱の扉を開けようとした私に声をかけられ振り向く。



声の主が分かっていたけど、わざと振り向いた。



私の後ろにいたのは、今回の事件の張本人、達也だ。



上履きを片手に持ち、私が邪魔みたいな顔をしてる。



「アンタ帰ったんじゃないの?」



「なんだよ、居ちゃ悪いか?」



「だって、あんなに急いで教室出たから…

もしかして、今日の事謝りたかったとか?」



私、なんでこんなにアタフタしてるんだろ…










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