誰よりも、あなたに~I NEED YOU~
『あぁ俺は…今は特にないかな』と海面を見ながら淡白に言った。


『でもいつか現実と向き合わなきゃいけない時がくるよ』礼は真剣な表情で僕に言った。

僕はそそくさと立ち上がって言った。
『写真撮ろ!発表会近いしさ!』

僕は礼に言われた言葉が嫌に重く、そして温かい感じがした。

真剣に自分のことを考えて言った礼の言葉は厳しさの中にも優しさがあった。


僕は礼をテトラポッドの上に座らせた。


『あぶないけど、なんか良い写真とれそうだから頑張って』と笑いながら礼に言った。


礼は照れくさそうに

『わかったよ。もう~』と呟いた。

礼は麦わら帽子に白のワンピースだった姿が僕は海にぴったりだと勝手に思って


レンズを覗きこんだ。


礼の姿はレンズを通してでも強さを感じる。

本当に病気をもっているのか疑うほどに…

シャッターを押した。

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