誰よりも、あなたに~I NEED YOU~
と薫は続け様にこうも言った。

『礼の未来は私やトシ以上に不安なんだよね。

本当1年後、2年後でも今の病気の進行が早くなってしまえば私達は消えてしまうんだよ。

他人の不幸を見て自分は幸せだと思うことは間違っているけど…そう思ってしまうよ…まだまだ未熟なのかな?…でも礼は強い…』


トシは薫の強さを知っているから、

礼を褒めたたえる薫の話は礼の強さが本物だと感じた。


トシもまた心に刻まれた。

『未来って真っ暗で不安しかないように感じるけど、常に光は1本や2本それ以上射し込んでいるはずだ』


薫は突然不機嫌な表情でトシにいった。

『美沙紀は…たまに嫌いかもしれない…』

トシは困った表情で答えた。

『え、なんで!?仲の良い友達でしょ?』

『………』

薫はトシの手をとって海岸まで走った。


薫の手はとても温かかった。
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