誰よりも、あなたに~I NEED YOU~
僕は節目の日にはいつも昔のことを思い出す。

幼稚園の頃、小学校や中学、高校?、と母親に常に気持ちもリードされながら

僕の前を歩いていたなぁと。

いつの間にかそれが反対になっていた。

当たり前なくらいそばにいた母親はこの日から

別々の場所で日常を送ることを考えていた。

当たり前なものがそばからなくなる時、寂しさを感じる。

母親に冷たく接したこともあったと



当たり前なものがそばからなくなる時、寂しさを感じる。

母親に冷たく接したこともあったと

一瞬、ものすごく後悔した。

と次の瞬間には反省に変わっていた。

大学についても人の多さは相変わらずだった。

入学式は無事終わった。

母親とファミレスで
お昼を食べていた時、僕が大学へ入る不安を漏らした。

母親はいつものように『大丈夫。優也は大丈夫。高校の時も平気だったじゃない!』と笑いながら言っていた。

しかし僕は安心したというよりも母親の息子がいなくなることへの

寂しさを隠すための笑いに見えた。
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