誰よりも、あなたに~I NEED YOU~
礼は僕に優しくこう言った。









『大丈夫…優也のことは忘れないよ…病気に負けそうになっても…優也のことだけは忘れない………』








僕は我慢できずに泣いてしまった。









子どものように声をあげ泣いた。













礼は優しい眼で僕を見て笑っていった。












『優也…子どもみたいに泣いてる…可愛い』






僕はそんな礼が好きだ。今、僕は泣いている自分を見ている。







礼の優しさと僕の泣き顔を1つ違った世界から見ている。







相変わらず僕の泣き顔は不細工だ。でも礼の優しさは微笑ましい。






礼の優しさだってこれから感じられない時が来るかもしれないのかな。







礼の顔ももう見れなくなる日が訪れてしまうのかな。






『おいどうにかしろよ俺!!』








1つ違った世界から僕と礼を見て僕に強く言った。








もとの世界の僕は泣きっぱなしで、礼はとっさ起き上がった。











礼は僕の顔を見てまた笑った。




























礼は僕の泣き顔にキスをした。








僕は自然と涙がおさまった。

















病室の窓にかかったカーテンが清々しい風で揺れた。













一瞬、時が止まった
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