誰よりも、あなたに~I NEED YOU~


























薫は無言のままトシのお腹を軽くパンチした。









トシは一番痛い腹にパンチされて腹を抱えて痛がった。














薫は突然無表情のままトシに言った。


















『キスしてあげる』



『…え…!?』









その瞬間、薫の口はトシの唇と重なっていた。















傷の痛みなど忘れてしまうほど、突然のキスにトシは言葉が出てこなかった。








薫は照れくさそうにトシに言った。







『元気出た!?トシは暗い顔似合わないよ!いつも笑っててよ!私の前だけじゃなくて色んな人の前で笑ってて!笑顔が似合うなんて素敵でしょ!?またね!!』

そういうと薫はすぐに走って去っていった。










トシは心の中でこう呟いた。


『おいおい~薫ってなんなんだ~!?たまに本当にわからなくなるけど、最近の薫は本当にわからん~~~~!!!!



薫のことは人一倍理解しているつもりだったけど………難しいな………女心って…………



でも笑うことって何気ないよな本当…俺自身、笑っている時に俺、今笑ってるよなんて思わないし、自然に笑顔って出てるよ。



何気ない笑顔がなかったら、楽しいのに楽しくないみたいになっちゃうもんなぁ………………



笑顔は不安や悲しさ、辛さを忘れさせてくれる。大切にしよう…今度、優也やかっつんにあったら笑った顔して会わなくちゃ!



この前、冷たくいったことも笑顔で謝るか。』


トシはトシ自身に薫の何気ない一言がトシや全ての人が当たり前のように使っている【笑い】の大切さを再確認させてくれたのかもしれない。
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