誰よりも、あなたに~I NEED YOU~
次の日の朝、昨夜の涙で顔がむくんでた。


朝の光はなぜか不安だった気持ちを消してくれるようで、自然と笑顔になる。

光って、闇って、人間の本能が光は希望を闇は不安を感じとっているのかもしれない。


子どもの頃、夜になるのがすごく怖かった…理由はわからないけど怖かった…そんな記憶が僕にはある。


本当に不思議でいつの間にか夜、寝る時は照明やテレビがついてないと眠れなくなっていた僕。




いつものファミレスに僕たちは揃っていた。




そろそろ僕たちは大学3年生になる。



かっつんはゆっくり僕とトシに言った。

『そろそろ就活だよなぁ…はぁ~…』


『どうしたん?』

『いや就活って疲れるんだぜ!?…精神的にも…肉体的にも…なんか就職したら人生のレールが一気に決まる気がせぇへん?』


僕はかっつんに共感するよう答えた。


『まぁかっつんが今、関西弁で喋った気がするのはおいといて、確かに…就職したらもう今みたいにファミレスにも集まれなくなるよなぁ…』

トシも同じような口調で話した。

『まぁでも…就職って必ずしなきゃ…じゃん?とりあえずさぁ就職先とか二人共、どこが良いの?』

僕は即答できなかったが、かっつんはすぐ答えた。

『充実できるならどこでも良い。』

『どこでも良いの!?』

『だって今この会社に入ったらこんな仕事ができるだろうなぁとか考えても、入ってみたらイメージと全然違うなんて結構ありそうだから~ハードルを下げる意味も込めて、充実できるなら良い。』


僕はかっつんに聞いた。

『でもハードル下げてるとか言って、仕事が充実すること自体難しいものじゃない?』


『…………確かに…』
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