誰よりも、あなたに～I NEED YOU～

絶望を超える死望

僕は神山咲が母親に似ている気がした。




次の日、突然携帯に電話がかかってきた。


見慣れない番号だったがでてみた。


『第十七綻佐(たんさ)病院です。
新池俊さん、五月女信二さん、松下薫さん、常磐美沙紀さんがドライブ中に事故に遭い死亡したことをお伝えするために電話いたしました。』


『え！？死亡！？』


『ぷつっ！…プー…』

『トゥルルル…』


『はい？もしもし』

『警察です。麻倉優也さんですか？家族の方全員が自宅火災のため亡くなられました。』

『ぷつ！…プー』


僕は何がなんだかわからず病院に向かった。病室にはもう姿形がはっきりしないトシ達。

僕は一瞬で孤独になった気がした。



いつもの日常があっという間に消え去った。



さよならも言わず…何も言わずに消え去ったのだ。