ありがとうとごめんね
5月中旬、学校で梨沙に話しかけられた

『6組はどう??』

「ん~?微妙。ジミーズばっか。テカ馬路担任終わってる」

『そっかぁ。うちのクラスやばいよっ。たのしい!』

へぇ・・羨ましい。龍と同じクラスだもんね、

「好きな人とかできた?」

きっと、龍が好きだろうな~って思ってた。
龍はサッカー部でめっちゃモテルから。

『ん~龍・・・とか・・?』

ズキ・・。


「・・・そっか。でも龍裏表激しいからやめた方がいいよっ?」

あーあ。何言ってんだろううち。龍が裏表激しいのは
本当だけど・・。
今言った言葉は梨沙の為の言葉じゃなくて
自分の為の言葉だよね。
梨沙に諦めてほしいから言ったんだろうな。

本当・・・駄目な奴だな。うちって。




─6月


もう、そのころにはチャライ自分、不良な自分が消えてきていた・・

それは龍のおかげなんだよ。
龍はどうも思ってないと思うんだけどね。
素直に笑えたし、クラスにも友達できたし。
6月後半にある宿泊研修のメンバーも
笑顔でいれたおかげで誘われたりとかして
すぐに決まったし。

龍、本当にありがとう。
龍、でも、うち諦めるよ。梨沙も本当に龍の事が好きなんだ。

だから、諦める。梨沙の事応援する。玲に内緒で
すきになったら、、。うちは、彩と同じことをしたことになる。

うちって素直に恋愛もできない弱虫ちゃんだな。
でも、不良だから強くみられてて誰にも弱い自分を
相談できないんだよ。

あぁ──龍──・・・好きだよ。
けど、諦めるよ、頑張るよ。


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