ありがとうとごめんね

小さな出会いから ─紗季

龍と女の子が教室で二人きりで話してるのを目撃して
ズキッ・・ってなって・・。
やっぱり龍が好きなんだな。っと自覚したんだ。
けど、諦めなきゃいけなくて。
恋する資格はうちにはなくて。
頑張ってたんだ。なのに、なのにだよ?
2時間目が終わって休み時間廊下に出たらさっ・・




『あ!紗季』

・・・ん?隼人じゃん。話すの久々だなー

「ん・・?どしたの?」

『ねーねー紗季ってさ、チャラくなくなってきたよなッ!』

 そういう風に見えてたんだ。

「まじ?そう見える?」

『うんー超変わった!何かあったの?』

「ん──なんだろ?自分でもわかんないっす!」
 素直に言うと龍に出会ったから変わったんだけどね。

『はははw  あ!ちょっと待ってて!』

「うん」
 隼人ドコ行くんだろう?

 
 隼人の向かった先には・・・
 今一番見たくない人だった。
 それは・・・龍。
 そして、龍を連れてうちの場所に来たんだ
 そしたらいきなり隼人が

『紗季って好きな人とかいんのっ?』

 って聞いてきたの。
 龍だよ!ってふと思ったけど・・諦めるって決めたんだって思って。

「ん~内緒にきまってんじゃん!てか、なんか微妙かなっ」


 なんで「いない」ってきっぱり言わなかったんだろう・・。
 

『微妙?俺さ~紗季最近笑顔で居ること多くなったから好きな人でもいるのかなーと』

  好きな人、いるけど・・・いないよ? 

「あぁ~・・笑顔でいれるようになったんだよね!」
 
 龍のおかげでね・・。

 そのとき、龍と目があった。

「・・・っ。」

 一瞬、かっこいいって思っちゃった自分が居て。好きが止まらなくなりそうで
 逃げることをうちは選んだ。

「あ、隼人ごめん!うち、宿題やってなかったからやってくるわ!」

『あぁ・・あ、ちょっと待って!』

「ん??」

『こいつ、龍って言うんだよね!知ってた?』

 龍とは何もなく終わって教室に戻ろうと思ったのに・・。

「うん」





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