君のトナリ
とかってゆみと約束したけど、あたしには無理だ。
”やっくんと喋らない”なんて約束、守ろうという思いは微塵もない。

だってやっくんは友達だから。
そもそも、男子と喋るなっておかしくない!?
付き合ってる訳でもないんやし、やっくんはモノじゃないっつーの!




「松崎松崎!」


それは授業中のことだった。
先生はうるさいわ、英語の時間は大っ嫌いだ。
おばさんが1人で喋る。
おばさんが必死で喋る、下手糞な英語は、耳障りなだけだ。


「やっくん何?」

「見て! 新しいネタ★」


必死でネタをあたしに見せるやっくん。


「ぶはっ! やばいってやっくんその顔、めっちゃ笑える!」
 
「やろ? 俺昨日家で研究しとってん!」

「研究とかどんだけ!? めっちゃうけるわ♪」


やっくんとわいわい騒ぐのって、めっちゃ楽しい♪




そんなあたしたちを、ゆみが見ていた。

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