君のトナリ
次に出逢ったのは、小学6年生の秋。
その時あたしは、バトミントン部に入っていて、君はミニバスケットボール部に入ってた。
ミニバスは、小学校の違いは関係なくて、偶然にもあたしが通っている小学校でやっていた。

あたしのバトミントン部は、3時に終わって、ミニバスは3時から。
入れ違いになっているから、すれ違いはあるはずなのに、ずっと君の姿はなかった。
あたしは君のこと、覚えてたけど、君はあたしのことなんか忘れてた。


「おーい! こいつのことが好きな松崎さーん!」


その時あたしは、隣のクラスの子が好きで、その子もミニバスに入っていた。
その子のことを指差して、あたしを呼ぶ声の持ち主は、間違いなく君だった。


めっちゃ失礼!
ありえへん!
普通、”こいつのことが好きな”とか言わんくない!?


「なぁ、菫呼ばれてんで?」


友達の言葉も、耳に入らないほどムカついていた。
あたしは、君の言葉をスルーして、シカトを決め込んだ。





そうして、小学校6年生が終わった。
< 9 / 60 >

この作品をシェア

pagetop