First Love ~君がくれたもの~

(・・・・・!?)

一瞬、気配を感じて顔を上げるとアトラス兵の姿があった。

「!!」

あの視線に気を取られて気配を感じるのが遅れてしまった。

アトラス兵はミリアに向けて発砲してきた。

「・・・・っ!」

間一髪、立ち上がったミリアはそれを避ける。

ミリアは踵を返して走ろうとするが、身体がいうことをきかない。

「く・・・っ!」

顔を歪めて再びその場に膝をついてしまった。

気がつけば、周りはアトラス兵に囲まれている。


────────こいつらじゃない・・・


囲まれてもなお、あの視線が気になった。

ここにいるアトラス兵を殺しても、この視線の相手を殺さなければ意味がない。

だがミリアの思いを断ち切る様にアトラス兵はミリアに銃口を向ける。

ミリアは動かぬ身体を両手で抱きしめたまま、鋭い瞳でアトラス兵を見上げた。


< 123 / 208 >

この作品をシェア

pagetop