First Love ~君がくれたもの~

病院へと向かった比呂は立ち止まって後ろを振り返った。

酷い胸騒ぎがする・・・


このあと比呂は自分を殴ってやりたくなるほど後悔をした。

なぜミリアの傍にいなかったのか

なぜ一人で病院に行こうとしたのか・・・・

ミリアの性格を考えたら分かり切った事だったのに!!


「何でだよ・・待ってるって言ったじゃないか!!・・何で!!!」


ミリアと分かれた場所に戻ってきたが、既にミリアの姿はなかった。

比呂は膝を落として地面を何度も殴りつけた。

許せなかった・・

一人でいなくなったミリアも

頼りにすらされない自分自身にも・・・・

この怒りをどこにぶつけていいかわからない・・・


「・・・ミリア・・っ・・」







比呂の拳からは痛々しいほどの血が流れていた──────。







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