First Love ~君がくれたもの~
「兄さま・・・」
兄が行ってどのくらいたったであろうか、ミリア自身落ち着きを取り戻してきたものの不安が心を支配していた。
──────まさか、兄さまに何かあったんじゃ・・
お母さま、お父さま、ミルは・・・?
嫌な予感ばかりが脳裏を過る。
ミリアは意を決し、シェルターを出る事を決めた。
「ミリアさま!?」
ミリアの異変に気付いた民の一人が慌てて声をかける。
「・・・王宮に戻ります。」
「今外に出るのは危険です!!」
一瞬ミリアは出口で俯き立ち止まるが、直ぐに前を見据え飛び出して行った。
「ミリアさま!!」
ミリアが後ろを振り返る事はなかった。