First Love ~君がくれたもの~

さつきの事で兄が傷ついてるのもわかる・・

兄貴がさつきを護りたい事だって。

自分だってさつきの事は幼い頃から知っている。

姉の様に慕っていた。

だけどミリアは・・・

アイツは兄貴を護りたくて一人で行ったんだ・・・

兄貴の想いごと全部・・!!

「何で!!何でだよ!?兄貴!!」

比呂は雄平の胸板を叩いた。

雄平を睨みつける比呂の瞳からは涙が零れている。

雄平はその瞳を正視することが出来なかった。

「ミリアは自分の為じゃない・・兄貴の為に行ったんだ!!兄貴を護りたいから・・さつきの想いごと兄貴を護ろうとしてるんだ!!アイツは・・」

悔しいけど、おれじゃだめなんだ・・

「アイツは・・兄貴が好きだから・・!」

比呂は必死に雄平に縋りついている。

「男だろ兄貴は!おれの尊敬してる兄貴はそんな弱虫じゃない!!おれの兄貴を返せよ!!」

力の限りに雄平の胸を叩いた。


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