First Love ~君がくれたもの~

自分の名を呼ぶ少女の声が聞こえる。



───────雄平・・雄平・・



頼む俺の心をかき乱さないでくれ・・・

雄平は両耳を押さえてしゃがみ込んだ。




───────雄平・・幸せになって・・・




少女の声が頭の中で大きく響く。

なのにこの声の持ち主が誰なのか、わからない。

少女は幸せそうに何度も自分の名を呼ぶ。

その声は決して不快ではなく、とても心地よくて次第に雄平を落ち着かせていく。

雄平は頭の中で少女に話しかけてみた。

『君は・・だれ?』

『私は────』



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