First Love ~君がくれたもの~

雄平の家は鎌倉の由比ヶ浜にある。
小さなボロアパートだが家からは海がみえてなかなかいいところだ。
そこに雄平は弟と二人で暮らしている。

雄平のバイト先は稲村ケ崎の方でそこから海沿いにジョギングして帰っている。

今日もいつものように海岸を走っていた。

「あれ・・?」

目の先に一人の少女が倒れているのに気付き、慌ててかけよった。 

「き、君!!」

慌てて少女を抱き起こすが、濡れてる少女の身体はとても冷たく重い。

「ん・・兄・・・さま・・?」

雄平の腕の中で僅かに身じろいだ少女は、再び意識を失った。

その時、少女の瞳に光るものを見た雄平はそっと瞼にふれた。





しばらくその顔を見つめていたが、意を決した様に立ち上がり少女の身体を背負って歩きだした。



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