First Love ~君がくれたもの~
「遅い!何やってたんだよ兄貴!!」
家に着くとパジャマにエプロン姿の弟の比呂が、お玉を片手に仁王立ちしている。
「携帯かけても出ねえしよ!」
「携帯・・?」
思い出した様にズボンのポケットを触るが、いつもは入ってる携帯の感触がない。
「・・・あ・・」
「バイト先に忘れたのか?」
「いや・・」
バイトを出た時は持っていた。
もしかしたら少女を背負った時に落としたのかもしれない。
「・・て、何だよそいつ?」
今更ながら雄平に背負われてる少女に気づいて訝しげな視線をなげた。
「海岸で見つけたんだ」
「は?」