First Love ~君がくれたもの~
「兄貴は人が良すぎるんだよ」
話しを聞き終えた比呂は呆れ顔で兄を睨みつけた。
「だいたいそんなん、救急車でも呼んでほっときゃいいじゃねーか」
「・・・なんか、ほっとけなかったんだ」
「あのな、犬猫じゃねーんだぞ」
少女の涙をみた瞬間、どうしてもそのままにしておけなかった。
こんな小さな少女が何故あんな処で倒れていたのかとても気になった。
チラリと比呂を見ると、呆れを通り越して怒りを覚えてるみたいだ。
比呂はそのまま台所へと戻り、夕飯のカレーに火をつけ持っていたお玉でかき回した。
「目が覚めたら帰ってもらえよ」
ボソリと呟いた比呂の後ろ姿にバツの悪そうな顔を向け、少女をベッドへと降ろした。