First Love ~君がくれたもの~

「何すんだよ!兄貴はお前の事助けてやったんだぞ!!」

茫然としている兄の変わりにお玉を片手に比呂が怒鳴り声をあげた。

恩人と聞いて一瞬バツの悪い顔をするが、直ぐに気の強い瞳を比呂に向けた。

「そんなの頼んでない!!」

「・・っだと!」

頭に血が上った比呂はお玉をほおりなげて手をあげた。

「こっ・・の・・!」

ミリアは怯むことなく比呂を睨みつけている。

「比呂!!」

慌てて雄平は比呂の手をとった。

「いいから!自分より小さな、それも女の子に手なんかあげるな」

「だけど・・!」

気はおさまらないし、納得は出来ないものの、兄の顔をみてると言っても無駄だとわかる。

普段は頭に花でも咲いてるんじゃないかってくらい穏やかなのに、変な所で頑固だ。

仕方なしに放り投げたお玉を拾って温まったカレーをよそう事にした。

兄が煩いだろうからミリアの分も渋々と。


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