First Love ~君がくれたもの~
「君の名前は?・・あ、俺は野崎雄平。アイツは弟の比呂」
雄平は膝をついてミリアの視線に合わせるようにして話しかけた。
「・・・・・・」
「・・家はどこ?どこから来たの?」
何も言わないミリアに、少しでも安心させようと優しく聞いてみたが、少女は真っ直ぐに雄平を見つめ返すものの話そうとはしない。
「そんな奴警察に連れてっちまえよ!」
比呂はよそったカレーをテーブルに並べながら不貞腐れている。
「比呂っ」
「っ、早く食っちまってくれよ!片づけるんだから!!」
比呂はテーブルの前に胡坐をかいて座るとカレーをかきこんだ。
雄平は苦笑いしながらミリアを食卓へと誘った。