First Love ~君がくれたもの~
「何してるんだい?」
その声に一瞬肩を揺らし、涙を拭って振り返った。
「ちょうどこの辺だな」
ミリアは何の事だかわからないといった風に雄平を見上げる。
「君を見つけた場所だよ」
雄平は腰をおろしてミリアと同じ目線で話しをした。
「ごめんなさい。昨日の事・・言いすぎたわ」
虚を突かれたようにミリアを見つめる。
まさかこんな言葉が聞けると思わなかったから。
ミリアはその雄平の瞳を真っ直ぐに見ていた。
「気にしてないよ」
雄平はミリアの頭をくしゃっと撫でて、笑顔で答えた。
「帰ろう。比呂が待ってる」
雄平は立ち上がって、ミリアの小さな手をとった。
握られた手をそのままにミリアは雄平を見上げる。
手を引かれたまま、今来た道を歩き出した。