First Love ~君がくれたもの~
・・・・・・・・パン!!・・・・・・・・
近づいて来た比呂の顔を再びさっきよりも力を込めて叩いた。
「!!こ、このヤロー」
頬に綺麗な手形の付いた比呂は肩をワナワナ震わせながら必死に殴り返したい気持ちを抑えている。
相変わらずミリアは布団を握る手に力を込めながら比呂を睨んでいた。
「比ー呂」
必死に怒りを抑えようとしている比呂の頭を雄平が優しくポンと叩いた。
「今のはお前も悪いぞ。女の子の布団をはがすのは失礼だ。」
雄平はミリアの視線に合わす様にしゃがむと、穏やかな笑顔を向けた。
「ごめんね?」
ミリアは近づく雄平の顔に頬を染めて布団を口元までずり上げて顔を半分隠す様にしながらプルプルと首を振った。
まるでミリアを庇うような兄の態度に火に油を注がれたようで怒りをどこにぶつけてよいのか分からなくなった。