First Love ~君がくれたもの~
「・・・おい、お前・・・」
・・・・・・パシン!!・・・・・・・
あまりにも世間知らずなミリアに、どこから来たんだ?と聞こうと思った比呂であったが最後まで言葉を綴る前にミリアに叩かれてしまった。
「何す・・!」
「ミ・リ・ア!!」
比呂の言葉をさえぎる様に自分を指した。
「ミリア・・ミリアちゃんていうの?」
やっと自分の名前を言ったミリアに、雄平は嬉しそうに顔を綻ばせた。
「・・いちいち凶暴な女だな」
叩かれた頬を抑えながら比呂はぼやいている。
雄平はミリアの頭をぽんぽんと叩くとミリアの手を取った。
「?」
キョトンと見上げると、
「迷子になったら困るからね」
そんな雄平の優しい笑顔にとくん・・と胸がなった。
つないだ手がとても温かかった─────