泳いでね、スー〜震災の中で〜
昼食時間となった、入江町の防災対策庁舎の中にある危機管理課では、塩田課長が愛妻の作った弁当に箸をつけながら、何かをペラペラとめくりながら見ていた。


それを覗き込んだ、近澤が、

「あら、課長ご旅行ですか?」

と、尋ねると、

「ああ、ずっと妻には助けてもらったからな…。お礼で旅行ぐらいは連れて行こうと思ってな。」

と、顔をあげた。

「いいなぁ〜奥さん愛されていて。そうか…、もうじき定年ですもんね。淋しくなります。」
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