泳いでね、スー〜震災の中で〜
そして、津波は入江町沖の防潮堤を嘲笑うかのように、越えたのだった。

「みんな、屋上へ避難だぁ!!」

塩田課長の叫びと共に、職員達は、席を離れ、屋上へ向かう階段へ走った。

そんな中…。

「津波が来ますぅ!大きな津波が来ます!!逃げてぇ〜、早く…みんな逃げてぇ〜!!」

声を震わせながら、近澤は防災無線の呼びかけの為に、マイクの前にいた。
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