泳いでね、スー〜震災の中で〜
でも…それは覚悟だったんだ…。

この後、辺りは激しい波や、時折、渦も発生した。

そうしてついに、元気君達は水の中に落ちてしまった。
彼のお母さんは、二人の子供の手をしっかりと、両手で一人ずつ掴んでいた。

これなら彼女を助ければ…。
でも、こんな思いを邪魔する漂流物が、僕と彼女を近づけさせなかった。

「早く…早く水の上に…。」

水面に上がれない、元気君達を見て、僕は焦りを感じた。
< 80 / 108 >

この作品をシェア

pagetop