Summer Love

青い空に、綿菓子をちぎったような雲が散りばめられている。
その空に、青々とした山がよく映える。


「夏だね」


側には誰もいないけど、呟いてみた。
独り言が、あたしにはちょうどいい。

“いつも一人ふらふら歩いて、何でも自分ひとりでこなすから。そういうとこが物足りなかった”
ふと、ハスキーな男の声が聴こえる。
ああ、まだ1ヶ月とちょっとしか経ってない。


「惚れてきたのは、どっちだよ」


勝手に惚れて、告白してきて。
そのくせ、物足りないって。
あたしの何を知ってたんだ、あいつは。


「あたしは…あいつの何を知ってたんだ」
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