法螺吹きテラー
『大体は誰にも気づかれないんだけど、
たまに運悪く目が合ったり、
相手が先生だと、はっきり分かったり。
そうした生徒の元には、
彼はストーカーと化して、
窓を覗きに来られるらしいんだよ。
それでカーテン閉めてりゃいいとか、
そう思って対策してもね、
次に目が合うまで、覗き続けるらしい。
それこそ、うーんと首を伸ばしてね』
……目が合って、微笑まれて。
その後はどうすればいいんですか、先輩?
最悪な事に、
先輩が『嘘だ』と言うのを
聞いていないような気がした。
もしくは、俺が覚えていないかだ。
昨日夜更かししたせいで、
今日はずっと、ボーっとしてたから。
その事に後悔しながら、
とりあえずカーテンを閉めてみた。
そして数秒後、また開ける。
…………いた。