法螺吹きテラー
いつものように部活の後、
3年は軽い掃除だけだから、
俺よりも先に先輩は体育館を出た。
今の先輩のクラスは、
去年神花先輩のいた所と同じ。
席も……同じ。
突然消えて、
また次の日に現れるノートを、
先輩は楽しみにしているらしい。
自分の席だから、
真っ先に見られると言って。
俺は片付けを終えて、
急いで先輩の待つ教室へと向かった。
ガラスから見える場所には誰も居なくて、
だから焦って勢いをつけ、ドアを開けた。
だけど……先輩はいなかった。
教室の、どこにも。