法螺吹きテラー
いやいや、こんな事もあるさ。
実際、前にもあったし。
『ちょっとコーラ飲みたくなってさ』
そう言って、慌ててる俺に声をかけてきた。
そりゃもう、驚いた。
『どうした?
幽霊でも見たような顔して』
そう茶化した先輩は、
いつものようにノートを広げたんだ。
うん、そんな日なんだろう、今日も。
そう自分に言い聞かせた。
そうでもしないとやってられない。
適当な席に座って、
俺は先輩が来るのを待っていた。
まだ鞄が机にあったし、
きっとすぐ戻ってくるだろう。