法螺吹きテラー
そのまま月日は流れ、
今度は俺の卒業する日が来た。
なんだよ。
卒業できないんじゃないんですか?
卒業証書を受け取りながら、
あの日のノートの文章を思い返していた。
時々、あのノートは姿を現した。
ただし、俺以外の前に。
誰かがそれを読んで、いなくなる。
俺の卒業までには2人、いなくなってしまった。
『不気味なノートが突然現れて、
読んだ生徒が居なくなってしまう』
いなくなった人以外、
ノートを見た人はいないはずなのに、
何故かそんな話ができた。
俺が待ち望んでいた、
この学校の七不思議の1つめだ。
『留年ノート』
そう、名前が付けられた。
2人とも、留年なんてしてないのに。
何故か笑えてきて、
俺は笑顔で卒業した。