法螺吹きテラー


「どうしたんだ?」

「あの、百物語したいんです!」


物凄くいい笑顔で、
もう校長にも理事会にも許可を取ってきたと言う。

あとは顧問の許可と、付き添い役。



「百物語って……1人当たりいくつずつ話すつもりだ?」

さすがに100人も部員はいない。


「他にも希望者募って、
いっそ学外の人でもいいって事で!」


もうすでに話は進んでいるらしく、
手作りのポスターを見せてくる。


「許可と引率、
引き受けてくれますよね!」


拒否はさせないような顔で尋ねられた。

俺もこの手の事は好きだから、
まあいいかと頷いて返す。


すると部長は喜んで、
他の部員に伝えようと、
部室に向かう為、走り出した。


「こら、廊下は走るなよー!」


注意を聞いているんだかいないんだか。


彼女は手を振りながら、

「ありがとうございますー!」

そう叫んで階段を駆け下りて行った。


まったく聞いてないな、アレは。


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