私の隣はあなただけ
あたしは作り笑いで手を振りかえした。
手を振ってくれた美那子はまた健ちゃんを見た。
頬を赤らめている美那子は相当可愛かったと思う。
あたしは外を見た。
暗かった空はやがて明るくなっていた。
「華茄?どうした?」
空を見ていた華茄は突然喋ってきた拓磨君を見た。
「え、いや空を見てるの。綺麗だよね。青い空。悠耶を思い出す……」
「悠……耶?」
「そう……悠耶。あたしの元カレ?かな」
「元カレ……?その悠耶って子はどうしたの?」
拓磨君が聞いてきた。
話そうかな……?