STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
そしてすぐに何かを
思いついた様子で、



「それじゃあ、これならどう?」



そう言うと再び演奏を始める。



あたしは目を見張った。



那智が奏でたのはさっきの曲。



でもアレンジが加えられてて、
同じ旋律だけど雰囲気が
まるで変わってる。



激しくて、切ない――

胸が苦しくなるほど、
突き上げる衝動に追い立て
られるような――…。



「どう? 

これなら切羽詰まってる感
あったんじゃない?」



あぁそうか、あたしが
“題は切羽詰まってる感じ
なのに”って言ったから。


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