STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
こんなつもりじゃなかった
のに、我を忘れるくらい
求め、愛し合ってしまった。



もうすぐ離れ離れになる
自分達だ。


こんなことをしても仕方
ない――いやむしろ、
しない方がいいと思って
いたはずなのに。



(キミがあんまり可愛すぎる
から……抑えられなかった
じゃないか)



心の中で汐音に向かって
言い、今度はシーツに
流れる長い髪を撫でた。



「とんだ気まぐれ猫だった
くせに。

今になってあんな顔を
見せるなんて反則だぜ?」


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