STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
だけどそれは気のせいかと
思うくらい一瞬で、次には
もう普段と同じ穏やかな
表情に戻って、



「そうだな。

それじゃちょっと多めに
お金渡すよ。

臨時ボーナスってことで
報酬とは別な♪」



「ウン――ありがと」



優しい那智の態度が胸に
痛くて、あたしは着替えを
済ますと那智より先に家を出た。



前に那智と服を買った
記憶からかなんとなく足が
渋谷に向き、そこで適当に
買い物をする。



本屋にも入り、旅行雑誌を
見ながら次はどの繁華街に
身を投じようかと考える……。


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