STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
何かが何かにぶつかる音。



那智のあたしを呼ぶ声と、
二人の男の言葉になって
ないわめきと怒号。



どう……なったの?



あたしは那智を守れ、た――…?




――強い衝撃が襲ったのは、
その直後。



全身を走るピリピリした
感覚に、あたしは閉じてる
はずの視界がチカチカ瞬く
錯覚を覚えた。



「汐音っ、汐音――っ!!」



那智の声だけが、妙に
鮮明に耳の奥で響く。



「那、智―――…」





アンタが、大好きだよ。



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