STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
「遅くないとかじゃなくて……」



ピアノなんてあたしは
ガラじゃないって。



あながち冗談でもなさ
そうな那智の態度に、
マジメに返事を返してて――

あたしはふと、気がついた。



「――あれ?

なんで那智、あたしが
18って知って――…?」



那智にはあたしの歳、
バラしてなかったはずなのに。



すると那智はフッと優しい
笑みを浮かべて、



「……ん? だって前に
教えてくれたじゃないか。

香坂サン」



「……………!!?」



心臓が止まるかと思った。


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