STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
それじゃあ那智――あの時、
起きて――…!?



「……教えてくれて
嬉しかったよ、汐音」



「バ、バカじゃないのっ。

んなの、盗み聞きじゃん……!」



精一杯の声で文句を言う
けど……そんなのもう、
形だけだ。



那智も少しも気にした
様子もなく、再びギュッと
あたしを抱きしめると言った。



「これからはここが、
汐音の家だ。

オレも汐音も、家族なんて
語るのはまだまだ早い
未熟者だけどさ。

だけどこれからここで、
一緒に生きていこう」



「那智――…」


_
< 390 / 396 >

この作品をシェア

pagetop