STRAY・CAT 〜ソノ指先ニ恋ヲスル〜《年上男と媚薬な契約》完
「よく言うわよ―――」



憎まれ口をたたいてやる
つもりだったのに、何だか
あたしの声には覇気がない。


認めたくないけど、心が
動いちゃってる証拠だった。



でも――…。



「さっき言ったでしょ。

あたし、オジサンとは寝ないの。

だからリアルに愛人に
なんて、なれない」



たぶん求められてるのは、
そーゆーことも全部ガチで
する、本気の愛人。



でもそれは、あたしには
できない。



「んー、それは困るなぁ」



那智はそう言って難しい
顔をした。


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