赤い糸の先は。
ことの起こりは、1ヶ月前ほど遡る。
そのときあたしは、幼なじみと学校から帰っていた。



「ナギ、理科のノートかしてくれる?」
幼なじみの陸にたずねられ、あたしは
「また授業中、寝てたの?」
と笑った。

いや笑い事じゃないのだが、陸は座って正面をむいたまま眠ることができるので、授業中はいつも熟睡している。
なのに成績がいいのはちょっとムカつくけど……。

陸とは小学生からのつきあいだ。
ついでに言うと、長い前髪のせいでよく見えないけど、かなりの美形だ。
小学校、中学校、高校とずっといっしょなので、たいてい2人で行動する。

「じゃ、僕こっちだから」
「ん、じゃあね」
いつもの十字路で別れたとき。
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